DC-15とは
α-グルコシダーゼ阻害剤を生産する菌株の開発及び応用
1)開発の背景
納豆は大豆により健康効果があり、また納豆菌により発酵させることにより、ナットウキナーゼによる血栓予防効果や、ポリアミンによる動脈硬化を抑制する効果等 非常に高い機能性をもった食品です。
それら納豆の高い機能性に着目し、日本及び海外のBacillus subtilisを探索し、その一部の菌にα―グルコシターゼを阻害する活性がある菌株を発見しました。
その菌株をDC-15と命名しました。
2)機能性納豆菌 DC-15の特徴
α―グルコシターゼ阻害剤を多量生産するDC-15納豆菌により発酵させた納豆においても、高いα―グルコシターゼの阻害活性を示し、食後の血糖値の上昇を抑制し、結果ダイエット効果もあり、最近問題となっています、メタボリック対策上も非常に有効で、糖尿病予備軍の方にとりましても、非常に有効な働きを期待できます。現在まで日本の納豆ではα―グルコシターゼ阻害活性が確認できていません。
3)α―グルコシターゼとは?
α―グルコシターゼとは、小腸に存在する糖分解酵素で、α―グルコシターゼの働きにより、炭水化物はブドウ糖に分解され吸収されます。
したがって、α―グルコシターゼの働きを阻害することにより、ブドウ糖への分解を抑制し、食後血糖値の上昇を抑制できます。
4)DC-15納豆菌の応用
- ・納豆
- ・サプリメント
- ・食品素材(ラーメン・ピザ・シリアル等)
- ・ペットフード
5)DC-15納豆菌を使用した納豆の特徴
- ・DC-15納豆菌により作った納豆は α―グルコシターゼを阻害する活性が高い
- ・小腸内で消化できなかった炭水化物等が大腸内において、腸内微生物により消化されるため、腸の調子が整えられる。
- ・既存の納豆と比較して 納豆独特のニオイが無く、非常に食べやすい。
DC-15納豆のパワー!
血糖降下
DC-15納豆の血糖値低下効果(20代男性)
凍結乾燥DC-15納豆を1gを飲んでから75gの砂糖を飲む
DC-15納豆ラーメン摂食後の血糖値の変化
体重減量
DC-15納豆投与による20代女性の体重の変化
凍結乾燥したDC-15納豆を毎食前1g飲んで普段と同じ食事
DC-15納豆投与によるネズミの体重増加量の変化
資料1kg当り15gのDC-15納豆を添加
腸管での炭水化物の消化
*α―グルコシターゼ:マルターゼ、イソマルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼなどの総称で、二糖類、三糖類を単糖に加水分解する。
炭水化物の正常的吸収パターン
正常的炭水化物吸収パタンでは十二指腸と空腸を含めた小腸の上部で急速に単糖類に消化、吸収されるので、その結果食後血糖の急激な上昇になる。
α-Glucosidase阻害剤の適定量投与時(血糖降下効果)
適定量が投与されたAGIは腸内のα-glucosidaseに作用し小腸上部での急激な消化、吸収を抑制し炭水化物が小腸上段部から下段部にかかって消化吸収をゆっくり進行させる。 従って食後の血糖の急激な上昇が抑制される。
α-Glucosidase阻害剤の過量投与時(体重減量効果)
適量投与されたAGIはもっと多くのα-glucosidaseに作用し小腸上段部だけでなく小腸下段部でも二糖類の分解を阻害し糖の吸収を抑制する。吸収されなかった糖は大腸の微生物によって分解代謝される。従って体内に吸収される糖の絶対量は減少する(カロリーカット)。